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蝙蝠岳-白根南陵縦走
2007年 8月11〜14日


南アルプスで以前から気になっていたコースが2つあった。 1つは蝙蝠尾根、もう一つは白根南陵だ。いずれも、登山地図にはっきりとはコースが記載されていないマイナーなコースだが、是非行ってみたかった。しかし、それ単独でたどるには入下山が不便だし、水場がないという問題もあって、これまで躊躇していた。
今回、この2つをうまく組み合わせてアプローチの不便さも解決したコースを思いついた。休暇の日程もちょうど良く、念願のビッグコースとなった。

【山域】 南アルプス 地図
【コース】 1日目:山梨県早川町新倉・広河原〜転付峠〜二軒小屋〜徳右衛門岳
2日目:徳右衛門岳〜蝙蝠岳〜北俣岳〜北荒川岳〜新蛇抜岳〜阿部荒倉岳〜熊ノ平
3日目:熊ノ平〜西農鳥・農鳥岳〜広河原岳〜大籠岳〜白河内岳〜白河内岳南側平原
4日目:白河内岳南側平原〜笹山(黒河内岳)〜白剥山〜奈良田越〜転付峠〜広河原
【日時】 2007年 8月11〜14日
【メンバー】 単独

8月11日
8月11日9時 衛星可視画像         

前夜、車で広河原まで入り車中泊。朝5:30出発、快晴。転付峠まで休憩込みで4時間かからず登ったが、これが後でばてる原因になる。
二軒小屋まで下り、休憩もそこそこに蝙蝠尾根取り付き点へ。ここから徳右衛門岳(2598.5m)までの標高差約1200mは堪えた。今朝の疲れとひどい暑さで、完全にへばった。
徳右衛門岳直下の水場往復後、頂上で幕営。夕食後、倒れ込むように眠った。
8月11日9時 200HPa高層天気図(クリックで拡大)

どうしてこんなに暑いのだろう。
上の衛星画像を見ると、太平洋高気圧に覆われて暑そうである。かなりしっかりした高気圧であることがわかる。
200HPaの高層天気図を見ると、大陸の上空に高気圧がある。チベット高気圧である。そして、日本南方に張り出して沈み込んでいる。これが太平洋高気圧の上にのしかかって高気圧の勢力を強める上に、大陸で暖められた気団を下降させ、猛暑になったのだ。

8月12日
--- 蝙蝠岳 ---                      

5:45出発。今日も暑い1日になりそうだ。
しばらく、倒木の多い樹林帯を登る。高嶺郡内風露、岩弟切などの高山植物が増 えてくる。この先も、多くの高山植物に目を楽しませてもらった。
やがて森林限界へ。実に感動的な森林限界だ。ちょうど小ピ−クになっていて、視界が開けた瞬間に360度見回せるのだから。このために蝙蝠尾根を登ったと言っても過言ではない。
蝙蝠岳(2864.7m)を超え、北俣岳から千塩尾根に入ると、いかにも南アルプスらしい、灌木とお花畑と高山帯が入り交じる道となる。この雰囲気が好きだ。

         --- 北俣岳東側より、今日/明日/明後日の縦走路を見る ---
         (右〜中央手前:蝙蝠尾根、左手前から奥:千塩尾根、中央奥左寄り:間ノ岳〜農鳥岳、中央奥〜右:白根南陵)


今日の幕営地、熊ノ平へ16:10着。混み合っていたが、西農鳥岳を真正面に見られ、かつ落ち着いた、格好の場所を確保。夕方、西農鳥岳が赤く染まった。


8月13日
8月13日9時 衛星可視画像              

3:30に起床すると、霧雨である。気持ちが萎え、だらだらしてしまうが、5:15出発。相変わらず霧だが、少し青空が見え始める。雲は南方からやってきて、井川越を乗越すと急に文字通り雲散している。

さて、11日の気圧配置と何が違うのだろうか。

衛星画像を見ると、南方海上から筋状の雲が日本列島南岸にぶつかっている。この暖湿な空気が、海沿いの地方に雨を降らせ、また、山をガスに包んでいるのだ。

      8月13日9時 地上天気図(クリックで拡大)
また、地上天気図を見ると、太平洋高気圧は東に少しずれ、西の縁の部分が日本列島付近に当たっている。これに沿って流入する暖湿な気流を、縁辺流と言う。
しかし雲頂高度は低そうだ。早く登って雲の上に出てしまえば、すばらしい雲海を眺められるだろう。

大井川の源流部を横切り、農鳥小屋へ。この先、明日午後まで水場がないため、水場を往復して、水を5リットル補給。
雲は晴れ、ほぼ快晴となる。しかし、甲府盆地方面は厚い雲に覆われている。1日半分の水でずっしりと重くなったザックを担ぎ、西農鳥岳(3050m)、農鳥岳(3025.9m)を超えて、大門沢下降点へ。
ここからいよいよ、白根南陵だ。急に人影が無くなり、道も細くなる。標識等もほとんど無く、ペンキマーク、テープ、ケルンが頼りだ。

--- 3日目の幕営地、白河内岳南側肩の平原。真ん中にテント---     

あえぎながら広河内岳(2895m)へ。池ノ沢へのルートを分けると、道は更に細くなり、所々不明瞭になる。崩れかけたケルンを補修しながら歩く。
微かな踏み跡を追い、大籠岳(2767.0m)を超えて広大な山頂の白河内岳(2813m)へ15:00、ヨレヨレで到着。少し南へ下った平坦地を、今夜の宿とする。テント設営後、近くの小高い丘へ登り、日暮れまでゆっくり過ごす。湧き上がる雲も次第に収まり、甲府盆地方面もよく見えるようになった。明日は太平洋高気圧が勢力を戻し、天気は良さそうだ。
赤く染まった富士を見ながら、眠りにつく。


8月14日
3時30分起床、今日も快晴だ。5:00、幕営地近くの小高い丘から日の出を見る。

昨日朝以来の樹林帯へ突入、藪を漕がねばならないところもあり。笹山(2717.6m)北峰は這松帯上だ。展望を楽しんだ後、白剥山(2237.2m)へ。生い茂る這松に苦労する。
白剥山から30分ほど下ると、奈良田越だ。ここから、長い林道歩きとなる。暑さと、目標達成の虚脱感から、予想以上に時間が掛かってしまう。午後になって、東から雲が出てきた。

--- 内河内川の渓谷美 ---             

転付峠12:05。少し下ったところにある水場がありがたい。後は、広河原までのんびりと下るだけだ。3日前の登りの際には余りよく見る余裕の無かった渓谷美を楽しむ。


今回見かけた花々

高嶺郡内風露

岩弟切

高嶺爪草

千島桔梗

峰薄雪草

白山一花

丸葉岳蕗

丸葉岳蕗

白山風露

深山剃刀菜(ミヤマコウゾリナ)

雲間苦菜

小梅鉢草

兎菊

小葉の小米草

伊吹麝香草

高嶺びらんじ

小梅形草

稚児車

御前橘

褄取草

四葉塩竃

山母子

蝦夷塩竃

深山金鳳花

深山大根草

蟹蝙蝠

白山鳥兜

信濃撫子

小金鈴花

釣鐘人参

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