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西丹沢縦走
2008年10月12-13日

秋になると、静かで地味な山をゆっくりと歩きたくなる。
丹沢は地元の山であるにもかかわらず、前衛の一部に登ったことがあるだけで主稜・主脈とも歩いたことがなかった。そこで、静かな西丹沢をゆっくりと縦走してみようと思った。
【山域】 丹沢
【日時】 2008年10月12〜13日
【コース】 10月12日 西丹沢自然教室(西沢出合)〜畦ヶ丸(1292.6m)〜白石峠〜加入道山(1418.4m)〜大室山(1587.6m)〜犬越路避難小屋
10月13日 犬越路〜檜洞丸(1601m)〜石棚山〜箒沢〜西丹沢自然教室
【メンバー】 単独
【天気】 12日:曇〜霧/ 13日:曇〜霧のち晴

10月12日
10月12日9時 500hPa高層天気図(クリックで拡大)
8時45分、西沢出合を出発。明け方にはオリオン座が美しく見えていたのに、予想に反し高層雲に覆われている。 移動性高気圧が(少し北に偏っているものの)張り出してきているので、たぶん晴れるものと思っていた。

西沢に沿って登っていくと、落差30mの滝・下棚と、50mの本棚への分岐がそれぞれあるので、寄り道して見に行く。いずれも、垂直に近い豪快な滝だ。
1泊2日分の水を汲み、ずっしり重くなったザックを背負って急登をこなすと、やがて緩やかな尾根路となって畦ヶ丸へ登り着く。樹林に囲まれた、静かで深遠な山頂だ。
--- 蜘蛛の巣に付いた水滴が重たそう ---
ここから少し先で縦走路に出会い、右折。天気は残念ながら悪化しており、ずっと霧の中だ。最も濃いときは、視程100m以下だった。
いくつかのアップダウンを繰り返し、白石峠から加入道山へ急登。この付近の岩は、大理石で出来ている。加入道山も雰囲気の良い静かな山だった。

10月12日9時 700hPa高層天気図(クリックで拡大)
ガスは相変わらず晴れない。出かける際、高気圧が少し北に偏っているのが気になっていたのだが、まあ大丈夫だろうと安易に考えてしまった。高層天気図を見ると、寒気が南下してきていることがわかる。つまり、この高気圧は好天をもたらすものとは異なる、寒冷型のものだ。また、上層にトラフがあることがわかる。丹沢は太平洋岸に直面しているため、もう少しこの辺をよく検討して、行き先を決まればよかった。
一度下って大室山分岐へと登り返し、頂上を往復したら、犬越路へと急降下。犬越路避難小屋は、新装間もない気持ちの良い小屋だった。


10月13日
        --- 大文字草 ---
朝、6時30分出発。
今日もガスの中の山歩きだ。ほとんど樹林帯の中の山歩きなのでどうせ景色は楽しめないのだから、霧の中のほうがかえって深遠な雰囲気になっていいなんて言うと、負け惜しみか。

--- 靄の中のぶな林 ---                                
一人で山へ行って何をするのかと聞かれて、「考え事をしに」と答える人がいる。
確かに、こんな深い山の中を一人ゆっくり歩いていると、何だか高い境地に立った考え事ができそうな気がする。まして今回のように霧が立ち込めていれば、雑念に邪魔されることなく、普段心の奥底に深くしまいこんである『何か』を一つ一つ掘り起こしてきて構成しなおし、さらに通常思い浮かばないような新しい考えを組み合わせて、何かすばらしい哲学的な理論でも構築できそうな気がしてしまう。
あるいは、頭の中を空っぽにして無我の境地に入り、何か瞑想できるかもしれない。
ところが現実は、いろいろ建設的な考えなどできなくて、かといって頭の中を空っぽにすることも出来ず、同じ言葉が頭の中をぐるぐると回っているのである。それも、入山前にたまたま聞いた歌の一節なんかであったりする。
実際、山中でちょっと何かを考えなければならないときは、たいしたことでなくても立ち止まらなければ出来ないことが多く、歩きながら難しいことを考えるなどできっこないのである。

        --- 大きなぶな ---
檜洞丸登頂後、石棚山経由で下山。この頃から、やっと天気が回復し始めたが、まだ展望を楽しめるほどではない。石棚山へ向かう尾根道も、森を楽しむにはすばらしいコース。ぶなの美しい樹林が気持ちよい広い尾根と、尾根らしい狭い道の繰り返しが楽しい。
ここから急な尾根道を下り、最後は涼しい渓谷沿いの道となって車道に出る。車道を少し歩いて昨日の出発点へ戻った。
予報士Fun