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飯豊山(2105.2m)テレマークスキー(飯豊川横断)

好天を狙って日程を選んだ。緊張の飯豊川(加治川)横断に大満足。
【山域】 飯豊
【日時】 2017年 5月2日〜 5月5日
【コース】  5月2日 快晴 山都・川入6km手前 - 御沢 - 剣ヶ峰 - 三国岳 - 姥ノ前 - 本山小屋
 5月3日 快晴 本山小屋 - 御西岳 - 赤岳沢源頭往復 - 烏帽子沢 - 飯豊川(加治川)横断 - 赤谷沢1230m幕営
 5月4日 快晴 赤谷沢 - 大日岳 - 御西岳 - ビンカグチ沢 - 姥ノ前 - 切合小屋
 5月5日 晴れ 切合小屋 - 三国岳 - タカツコ沢 - 横峯 - 御沢 - 川入6km下
【メンバー】 単独  

5月2日
--- 剣ヶ峰の手前で。今年は雪が少ないらしい ---


川入集落の6km手前で、一般車進入禁止。9時まで待てばゲートが開いたようだが、4時半に出発して舗装路を延々と歩く。幕営装備一式に加え、板とブーツが重い。川入からさらに御沢まで林道を歩き、登山道へ取り付く。スキーを履けたのは中十五里の少し上。
剣ヶ峰には落ちかけた雪がへばりついている状態。こんなところ登れるのだろうか。今年は例年より残雪が少ないらしい。

05月02日09時 700hPa高層天気図(クリックで拡大)


まだ気圧の谷の影響が残っていてもおかしくないが、T-TDの状況を見ると、空気が良く乾燥していることがわかり、おかげで昨日の不安定な天気からの回復が早かった。
西からは優勢な気圧の尾根がやって来ている。空気が乾燥していることもあり、今後数日間の好天が期待できる。太平洋の高気圧から流入する気団により、気温は高そうだ。

--- 渡ってきた剣ヶ峰のナイフリッジ ---


スキーを担ぎアイゼンを履いて剣ヶ峰を登る。雪と岩の上を何とかつないで歩くことができたが、緊張した。
三国岳からはまたスキーを履く。七森の雪壁は少し下り回り込んで越えた。切合小屋を過ぎ、姥ノ前からは既に雪が消えているので再度スキーを担ぐ。御秘所の岩場を越えたあたりからどっと疲れが出てくる。一ノ王子への稜線も雪は無く、ふらふらと登り、這う這うの体で本山小屋へ転がり込んだ。


5月3日
--- 赤岳沢源頭の登り返し ---


ゆっくりと起きて出発。飯豊本山周辺は雪なし。御西岳は雪に覆われていた。
天狗岳を越えたあたりで北東の斜面を見下ろすと、ずっと下の沢が平らになるところまで非常に魅力的な斜面が続いている。赤岳沢支流の源頭だ。荷物を置いてひと滑り。雪質は良く、テレマークターンが楽しい。標高差710mをノンストップで滑った。素晴らしい斜面のせいか、稜線までの710mの登り返しも苦にはならなかった。

--- 烏帽子沢左岸の雰囲気の良い台地 ---


いよいよ飯豊川の横断だ。天狗岳辺りから見た限りでは沢は雪で埋まっていそうに見えたので、決行することにした。烏帽子岳方向へ稜線を進み、亮平ノ池手前付近から烏帽子沢へ。途中特に難しい場所もなく、延々と快適な滑降だった。

--- 飯豊川(加治川)。赤谷沢出合(右奥)までへつる ---


洗濯沢に合流し、最後はデブリの上を滑って飯豊川へ合流。状況が悪ければ滑った斜面を登り返しと考えていたが、大きくしっかりしたスノーブリッジがあり問題なかった。
但しその先、赤谷沢出合までが悪かった。雪が切れているところもあり、スキーは担いでアイゼンに履き替えて、水流の上の斜面をへつった。非常に緊張した。

--- 赤谷沢出合の滝 ---


さて、もう戻れない。赤谷沢出合いは2,3段の滝になっていて、横の斜面の通過も緊張した。
しばらくはアイゼンのままで赤谷沢を登る。もう1箇所、滝の横の雪壁を登り、左からの支沢合流の急斜面を登ったところで、スキーに履き替えシール登行。
だいぶ日が傾いてきたので、適当なところで切り上げ、斜面を整地して天幕を設営。


5月4日
--- 大日岳(左)・西大日岳(中央)北面の地蔵カル沢源頭斜面 ---


昨夜はよく眠った。テント泊なのに一度も灯りを使わなかったほど。今日もゆっくりと起きて出発。
引き続き沢に沿って登り、1400mあたりで尾根に上がる。やはり今年は雪が少ないようで、ここより低いところの尾根上では雪が既に消えていた。
地蔵カル沢源頭斜面へ出ると、素晴らしい雄大な景色が広がる。斜面を斜上して稜線に上がった。
長い上りを終え、大日岳山頂でようやくシールをはがして急斜面を滑る。
--- ビンカグチ沢源頭の滑降 ---


御西岳手前でまたシールを張り、駒形山手前まで歩く。ここから尾根を斜滑降してビンカグチ沢へ。ここも良い斜面、沢の底まで延々と滑った。
姥ノ前から落ちてくる沢に入り、急だが快適な斜面を登った。姥ノ前の稜線手前は藪こぎ。でも、これでスキーを担いで御秘所を下らなくて済んだ。

--- 草履塚から切合小屋まで、今日最後の滑降 ---


草履塚まで上がり、日が傾いてきたころやっと切合小屋が見えた。


5月5日
--- タカツコ沢源頭 ---


ズタズタ雪の剣ヶ峰をスキーを担いで下りたくはないので、三国岳からタカツコ沢を下って登り返す。ドロップポイントは初日にチェック済み。尾根を南に少し進み、雪庇の弱点からドロップ。すぐ下の雪が切れているので、注意深く沢の中心へ移動。あとは快適に急斜面を滑れたが、下部はデブリで埋まっていた。
横峰付近へ登り返したかったが、雪の状態が悪く、剣ヶ峰と地蔵山との鞍部へ登り返した。

川入から駐車地点への長い舗装路歩き、後半は親切な軽トラの人に助けてもらった。

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