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尾瀬 テレマークスキーツアー
2019年 5月 2〜5日

以前から気になっていたタソガレ田代をベースキャンプにして、3泊4日で尾瀬を楽しんだ。毎日天気に恵まれた。
【山域】 尾瀬
【日時】 2019年 5月2日〜 5月5日
【コース】  5月 2日 小雨のち晴れ 富士見下 - 田代原 - 白尾山 - 皿伏山 - タソガレ田代
 5月 3日 快晴のち曇り、夕方快晴 タソガレ田代 - 尾瀬沼 - 燧ヶ岳・俎ー - 硫黄沢 - 柴安ー - 赤ナグレ - タソガレ田代
 5月 4日 快晴のち薄曇り タソガレ田代 - 景鶴山 - 岩頭盆地 - カッパ山 - 景鶴山 - タソガレ田代
 5月 5日 快晴のち晴れ タソガレ田代 - 竜宮 - セン沢 - アヤメ平 - タソガレ田代
【メンバー】 単独

05月02日09時 地上天気図(クリックで拡大)
05月02日09時 500hPa高層天気図(クリックで拡大)

北海道の東に発達した低気圧があって、南西に延びる寒冷前線が昨夜通過した。北海道の西の上空には寒冷渦があって、日本海に寒気を伴った気圧の谷が伸びている。
日中にこの気圧の谷が通過したため不安定な天気になったが、それほど深い谷ではないこと、地上では高気圧が近づいており、空気はそれほど湿っていなかったことから、大きく崩れることはなかった。気圧の谷が通過後の夕方には快晴。夜は星がきれいだった。
05月03日09時 地上天気図(クリックで拡大)
05月03日09時 500hPa高層天気図(クリックで拡大)

千島上空の寒冷渦南西のトラフ(気圧の谷)が東北地方を通過した。朝鮮半島南部上空にも寒気を伴ったトラフがある。地上天気図の東シナ海には高気圧が、また日本海にも、天気図には表現されていないが高気圧がある。
上空の気圧の谷の影響が残っているのか、良く晴れているが巻雲が多い。朝鮮半島南部上空のトラフが東海地方へ進んでくるため、すっきりとは晴れないが、上記の地上高気圧により、大気が落ち着く夕方には回復するだろう。
05月04日09時 地上天気図(クリックで拡大)
05月04日09時 500hPa高層天気図(クリックで拡大)

地上高気圧に覆われているが、その中心は能登半島付近で、北に偏っている。高層のトラフは、東北では東に抜けているが、関東南部では寒気を伴ったトラフが明瞭。
東日本では南部ほど大気の状態が不安定。一方北部ではよく晴れている。
05月05日09時 地上天気図(クリックで拡大)
05月05日09時 500hPa高層天気図(クリックで拡大)

日本海中部上空に明瞭な気圧の尾根があり、それに対応して、地上高気圧が東日本を広く覆っている。
少なくとも今日日中は良い天気だ。

5月 2日
--- タソガレ田代。燧ヶ岳を借景にした広大な庭と、小さな我が家 ---

富士見下を7時半頃出発。林道に雪は無いので、スキーはザックに取り付けて担ぐ。明け方まで降っていた雨は止んだが、時折弱く細かい雨が降ってくる。田代原の下からスキーを履けるようになった。湿原を縦断後は林道を行かずに冬路沢へ向かう。なるべく水平に進み、頃合いを見計らって沢へ。心許ないがスノーブリッジがちょうどあったので、勢いをつけて一気に渡った。
白尾山へだらだらと登って、ここで一旦シールを剥がし、皿伏山との鞍部まで滑降。気持ちの良い林間滑降だった。
皿伏山まではまた登り。頂上から、始めは緩斜面、その後は急斜面を滑り降りて、今回のベースキャンプ地、タソガレ田代へ。テントを設営し、まだ時刻は早いがここでのんびりする。天気は次第に良くなり、燧ヶ岳が真正面にドーンと見える。以前から気になっていた場所だが、やはり素晴らしいロケーション。


5月 3日
--- 柴安ー滑降 ---

少し巻雲があるが、快晴の朝となった。治右衛門池、曲り田代、小沼を経由して尾瀬沼へ。氷上を渡って、オンダシ付近から燧ヶ岳に取り付く。と言っても、どちらが登りか分からない様な緩斜面の深い森だ。途中、小さな沢を渡ってひとつ右の尾根に。ここから斜面が急になってくる。やがて景色が開けると登山道と交差するが、登山道通りにミノブチ岳には向かわず、カール状の斜面から右側の尾根を登ってみた。俎ー直下は雪がなく、スキーを担いだ。
俎ーから東側の硫黄沢を滑降。ここは滑る人が少ないので、真っさらな斜面が気持ちよい。出だしはカール状斜面、途中は緩斜面の尾根、その後は沢に降りて振り子状の滑降と、たっぷり楽しんで、2000m地点で終了。
ここから俎ーまで登り返して、西面は雪が無いので柴安ーとの鞍部まで板を担いで下りる。柴安ーの急斜面も板を担いで這うように登った。
柴安ーからは、先ほど登った斜面の横(もっと急)を滑る。ギャラリーが多いので緊張したが、スムーズにターン出来て無事下りられた。

--- 赤ナグレ源頭部と俎ー ---

赤ナグレを滑って尾瀬ヶ原の東の樹林帯へ下り、八木沢橋を渡って、ベースキャンプのあるタソガレ田代へ登る。ここは結構時間が掛かった。

朝出ていた巻雲が昼には巻層雲になって太陽が暈をかぶるようになり、午後になると雲は濃くなってきたが、心配する様なものではなく、夕方にはまた快晴になってくれた。


5月 4日
--- 景鶴山 ---

昨日夕方の逆コースを取る。マサヨシ沢源頭部斜面をぐるっと巻いていく所などでは、まだ雪が硬いので、昨日のトレースが助かる。八木沢橋を渡り、尾瀬ヶ原を縦断して沼尻川橋を渡ったら、ヨッピ橋へ。まだ橋板が設置されていないため怖いが、スキーを着けたまま渡ったほうが楽。
ケイズル沢を登っていると、景鶴山の西の肩で泊まったという2人組みが滑ってきた。西丸震也の話等で盛り上がる。沢の途中から右側の尾根経由で景鶴山の東の肩へ出た。スキーをデポして頂上往復後、北面を巻いて西の肩へ。
シールを剥がして、岩頭盆地に滑り込む。久しぶりに来た。かつて、西丸震也の本でここを知った訳で、表敬訪問に来たようなもの。
外田代からカッパ山へ。何度か登っているが、いつも北西側からだったので、西から登るのは初めて。山頂湿原を半周して、景鶴山の西の肩へ登り返し。

  --- 景鶴山の西の肩からドロップ。急なので斜面の先が見えない。
南方の空には嫌な感じの雲 ---  


北の空は良く晴れているが、南方には積乱雲が湧いて遠雷も聞こえる。

--- 尾瀬ヶ原に向かって、ケイズル沢に吸い込まれるように落ちていく ---

景鶴山の西の肩からケイズル沢へ滑り込む。尾瀬ヶ原を正面に見ながら、急斜面を豪快に滑る。
後は昨夕と同じ通勤ルートを今朝とは逆にたどって、山中の我が家に向けて登り帰宅。長かった。


5月 5日
--- 至仏岳。今日も良い天気 ---

天幕を撤収し、三晩お世話になったタソガレ田代を後にする。今日も同じルートで尾瀬ヶ原へ。小八木沢側を滑ると結構楽しい。
沼尻川橋を渡ったら昨日とは逆に左に折れ、、セン沢に入って行く。右岸台地をしばらく登って、しっかりしたスノーブリッジを左岸に渡ったら、アヤメ平から北へ伸びる尾根へと急斜面を上がる。最後はかなり急だったが、セン沢をもう少し詰めてから尾根に上がったほうが、おそらく楽だっただろう。

--- アヤメ平にて。尾瀬よさらば ---

尾根上、黒木の緩斜面をしばらく進んで行くと、いきなり目の前が開けてアヤメ平に出た。雪面が青空に続いている。爽快。

5月 4日
--- アヤメ平の雪原 ---

4日間過ごした尾瀬に名残を惜しんだら、南の尾根を滑る。富士見峠から林道を滑るより楽しい。


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